江戸の名医が作り出した漢方の軟膏

「紫雲膏(しうんこう)」とは、江戸時代末期に実在した華岡青洲が処方したとされる火傷治療のための軟膏です。
華岡青洲といえば時代劇の登場人物としてもよく登場している名医ですが、漢方の知識を元に作り出された外用薬である紫雲膏は特に効能が高いものとして知られており現在まで全く同じ処方で使用され続けています。

最も効果が高いとされているのは皮膚病や外傷部分であり、火傷の傷跡の他にも痔疾による裂傷にも高い効果があります。
ちなみにある程度漢方の知識がある人ならば自分で紫雲膏を配合することもできます。

紫雲膏という名称からもわかるように、薬の見た目は独特の赤紫色をしています。
これは配合成分である紫根に由来するもので、その他にごま油や「当帰」「蜜蝋」「豚脂」といったものを分量通りに混ぜていくことで出来上がります。

「紫根」といえばここ最近美容化粧品のための成分としても注目をされている成分で、「シコニン」や「アセチルシコニン」といったものが肌に使用することにより抗菌や消炎といった効果をもたらしてくれます。

紫雲膏の使用方法

紫雲膏が最も効果を発揮するのは火傷をした直後の手当です。
火傷をした場合は何よりもまず冷やすことが大切ではありますが、数十分じっくり冷やしたあとに紫雲膏をカットした清潔な布に厚めに塗りそれを湿布のように貼り付けます。

あとは一日数回程度貼り替えをすれば数日で肌がよくなっていくのを実感できます。
なお熱湯や薬品といったものによる火傷の他にも長時間直射日光を浴びてしまったことでなる過度の日焼けの場合にもこの紫雲膏は大変に効果的で、肌を冷やすして内部の炎症を抑えるのに役立ちます。

紫雲膏として販売されている製品はいくつかのメーカーからあり、ツムラやクラシエ、マルイシといったものが一般の薬局やドラッグストアで販売されています。

使用時に注意したい点としては、比較的軽度な火傷には大きな効果がある一方で非常に範囲の広い火傷や重度の高いものについては思うような効果をあげることができないということがあります。

火傷や傷がひどくなり化膿をしたりただれを起こしてしまっている場合には塗っても十分に効果がないことが多いため、市販薬としての紫雲膏ではなく皮膚科医の診断を受けて適切な対応をしていってくだださい。

使用上の注意・副作用

紫雲膏は医薬品ではなく漢方であることから、比較的副作用は少なく誰でも安全に使用をしていくことができます。
他の医薬品では肌荒れを起こしてしまうという人も、紫雲膏なら刺激が少なく安全に使用をすることができたという例もあります。

塗り薬として販売をされているものがほとんどなので、誤って口に入れないようにするということも重要な使用事項です。
ただし比較的安全といっても完全にというわけではありませんので、もし使用をしてみて赤みやかゆみが感じられるようならすぐに使用を中止し皮膚科医の診断を受けてください。

また肌ではなく衣類に付着をしてしまうと紫雲膏の独特の紫色が着色されてしまうこともあります。
一度付着した色は簡単には衣類からとれないという特徴がありますので、腹に触れないようにしっかり患部をガーゼなどで包み余計な部分に触れないように気をつけましょう。